チューリップ♪
さっき出来た、小さなお話。
今日私が庭で草抜きをしていたら、すぐ近くに何か小さな物が落ちて来た。何だ?と思って見てみると、何と小さな宇宙船らしきものがある。中を覗き込むと、小さな人というか何というか不思議な緑色をした細い生命体が3人見えて、みんなが大慌てで駆け回っている。私に氣付くとなおびっくりして叫んだけれど、私が大丈夫よ、とにっこり笑うと彼らは安心した様子になった。そして次の瞬間、彼らが話しかけてきた。いや、話すというよりも感覚を与えてくると言えばよいだろうか。テレパシーのような感じでありながら、そこには言語がなく、本当にその感覚や色を伝え合うのだ。私がどうしたのかたずねると、一人の利口そうな一番背の高い彼が「この地球が今、宇宙の中で大変な注目を集めている。すごい時期を迎えているんだ。僕たちはその様子を見るため星を代表してここまでやって来た。」と教えてくれた。その間、他の2人はせっせと機械のあちこちを修理していたようで、あっという間に準備ができたことを背の高い彼に伝えにやってきた。私が「もう帰ってしまうの?」と聞くと「いや、帰りはしない。我々は自分たちにかかわりのある人間たちが氣付いた時、我々のやり方で光の方へと導く少しの手伝いをする必要がある。」と教えてくれた。私にはさっぱり意味が分からなかったので頭にはてなマークが浮かんでいたが、すぐにそれを感じ取り、彼は言った。「今、この黄色い島代表のマクの調べによるとだ、、、君のひいおじいさんは我々の星の大きな転換期の頃、ずいぶんと活躍した人のようだ。そのひ孫である君は特別な存在だ。我々はもう行かなくてはならないが、君にはきっと近い将来また会うことになるだろう。今言えることはとにかく時間はない。しかし、氣付いた時その時間の解釈は今考えられないほどの素晴らしい存在となるだろう。全てのバランスがとても重要だ。その時を迎えれば、君にもよく分かるだろう。では!」私の頭の中が白黒しながら目をぱちぱちさせているのを氣にもとめず、彼らは礼儀正しく揃って胸に手をあてた。思わず私も同じポーズをとったその瞬間、そこにあったはずの宇宙船は音もなく消えた。一体この時間は何だったのだろう。私はまだドキドキしている胸を落ち着かせ、深呼吸をした。ふと見ると、昨日までまだ緑色だったチューリップの花がすっかりピンクに染まっている。これは何かの吉兆に違いない!と思った私は、すぐに部屋に入るとこの出来事を書き留めた。
注)これはファンタジーです。
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